ビブラートには仕組みや種類があり、それぞれ特徴が違います。コツがわかっていないと、どうしてもビブラートは出せません。
違いを理解しておくと練習方法も変わってくるので、ビブラートが習得しやすくなります。
- ビブラートの種類
- ビブラートの練習方法
- カラオケDAM精の独自ビブラート採点
ビブラートの種類や出し方、おすすめのカラオケ練習曲をご紹介するので、ビブラート習得の参考にしてみてください。
ビブラートとは?どんな仕組み?
歌を上手に聴かせる技術の1つで、音を伸びやかに発生した際に声を揺らして響かせる方法です。
不慣れな人だと、声の揺れがわざとらしくて、途切れ途切れに聴こえる可能性があるのでしっかりと練習をしなくてはいけません。
ビブラートの仕組みは声を出しているときに息の量を増減させることで出せます。
- 音に強弱がつけられる
- 感情がこもり歌がうまく聴こえる
- 聴いている人に思いを届けやすい
息の量がとても重要で、特有の「揺れ」を感じられるかどうかが関わってくるのです。
ビブラートを使う箇所の多くは、楽曲の中で強調させたい部分になります。上手なビブラートは、音が揺れる感覚・スピードが自然で不自然に途切れることはありません。
プロアーティストも当たり前のように使用している技術のため、歌がうまくなりたい人は習得して損はないです。
ビブラートの出し方は?簡単に出せるようになる練習法!
ビブラートの出し方で簡単なのは、声を出して練習する方法です。
例えば、「あー」とロングトーンで発声している時に、お腹で声を揺らして「あ、あ、あ、あ」と発声します。
すると、吐き出す息の量が変わって声に振動が加えられるのです。
音程関係なく出しやすい練習法なので、ロングトーンを腹式呼吸で出せる人ならコツは掴みやすいでしょう。
声を出しながらのビブラート練習は、なんとなく自分でも「こういう感じかな?」と意識がしやすく、わかりやすいので試してみてください。
ビブラートの種類
自分で練習する方法は、顎と横隔膜どちらかを使って練習します。
「喉じゃないの?」と思うかもしれませんが、負担をかけずに練習するためには、顎や横隔膜が効果的です。
歌唱中にどの方法でビブラートを出せばいいかを使い分けていくと、より一層歌がうまく聞こえるので、どちらも習得しておきましょう。
顎を使ったビブラート|喉に負担をかけずに抑揚をつけられる
初心者が最も簡単にできるビブラートです。
顎を使う方法は、演歌歌手がよく使っているビブラートで、顎に力を入れないようにしてください。
口をポカーンと開けた形にして、力を入れない状態をキープしての歌唱を意識します。顎ビブラートを出す方法は、以下の3ステップです。
- 正しい発声をして真っ直ぐ声を出す
- 顎を動かしながら発声する
- 揺れを一定にする
簡単に感じられますが、いろいろコツがあるので覚えておいてください。
まず、ロングトーンで「おー」と発声します。音量の大小を一定にして、息を混ぜた発声を意識しましょう。
「おー」と発生している時に「う」を入れます。
「おうおう」とはっきり発生するのではなくて、「うぉううぉう」といった感じで下顎を意識的に動かしてください。
下顎を動かすことで、息の強弱が出やすくなり徐々に声が揺れ始めるのです。
最初のうちは「うぉううぉう」の発声になれないかもしれませんが、「おうーおうー」からスタートさせて少しずつ慣れていきます。
発声に慣れてくると、声の揺れを一定に出せるようになります。
なんとなく音が揺れている、といった感覚から徐々にしっかりと音が揺れている実感が得られます。
自分で把握できるようになると、顎ビブラートが完成したといえるでしょう。
顎ビブラートは下顎の動きで発声の強弱を調整するため、喉に負担がかかりにくい点がメリットといえます。
この種類のビブラートを使う歌手
- 浜崎あゆみ
- 瀬川瑛子
顎ビブラートは、ポップスよりも演歌を歌うときに使われるビブラート技術です。
特に瀬川瑛子さんは、首と顎を使ってバランスの良いきれいな顎ビブラートを出せる人ですね。
ポップス歌手では、浜崎あゆみさんが顎ビブラートを使っていて、デビュー当時とは別のビブラートです。
浜崎あゆみさんは、渡米しボイストレーニングを受けてから顎ビブラートを使用しています。細く繊細な歌声から太く芯のある歌声に変化を遂げました。
喉を使ったビブラート|細かなビブラートがかけられる
喉ビブラートは、強くビブラートを出したい時に効果的です。喉を使って声の強弱をつけて揺らす技術で、喉の感覚に注意をしながら練習が必要となります。
喉ビブラートを出す方法は、そこまで 難しくはありません。
- 一定の音程で発声する
- 息が多めの発声をする
- 1と2の発声をつなげる
まず「あー」とロングトーンで発声します。音程を変えず、しっかり真っ直ぐ出しましょう。次にウィスパーボイスの「あー」を出してみます。
きちんと一定の音程で発声する「あー」とウィスパーボイスの「あー」を出すことに慣れてきたら、今度は2つの発声をつなげてできるようにします。
つなげる時に息と声は止めずに行うのがポイントです。繰り返しつなげてみることで、息と声のバランスが変わり、声の揺れを感じられます。
発声をつなげるとすぐに喉ビブラートが完成するわけではありません。声の揺れを感じられるポイントはどこなのかがわかるようにならなくてはいけないです。
しっかり発生する「あー」もウィスパーボイスの「あー」も、躊躇せずに出していくと揺れがわかりやすくなります。
この種類のビブラートを使う歌手
- 宇多田ヒカル
- 倖田來未
喉に負担をかけやすいため、最初は少し躊躇する人も多いです。力強く、かっこいい歌唱ができるビブラートなので、習得すると歌い方の幅が広がります。
喉ビブラートといえば、宇多田ヒカルさんです。デビュー当時から「ちりめんビブラート」と呼ばれる細かな喉ビブラートをすることで知られています。
現在は安定感のある喉ビブラートを使っていますが、宇多田ヒカルさんの喉ビブラートはとても高度です。
また、倖田來未さんは少し低めのハスキーボイスで、喉ビブラートを使っています。
横隔膜を使ったビブラート|習得すればキレイなビブラートが出せる
ビブラートの種類の中で最も難しいのが、横隔膜ビブラートです。横隔膜自体に馴染みがないと思う人は多くいます。
横隔膜ビブラートは、喉ビブラートに似ていて息の強弱で声を揺らしていく技術です。出し方に特徴があるので、よく理解しておきましょう。
- 横隔膜の位置を確認
- ドッグブレスで横隔膜を動かす
- 息の使い方を意識する
- ウィスパーボイスを出す
まず、自分の横隔膜の位置を把握することが大切です。
探すコツは、みぞおちあたりに指を差し込み軽く咳をします。咳をしたとき、指が跳ね返る感覚になるのでそこが横隔膜です。
文字通り、横隔膜ビブラートは横隔膜を動かして息の強弱をつけてビブラートを起こすので、喉に力を入れずともキレイな発声でビブラートがかけられます。
次に、ドッグブレスという「はっはっ」と犬のような息遣いをする方法で、横隔膜に動きがあるかを感じてみましょう。
咳払いをしたときと同じ場所が動いたのであれば、間違いなく横隔膜を把握したことになります。
ドッグブレスでしっかりと横隔膜がわかったら、「すっすっ」「すーすー」と途切れることなく続けてみてください。
常に横隔膜の動きを確認しながら呼吸をして、横隔膜が動かくなる=上半身に力が入っている、もしくはドッグブレスの感覚が消えたと判断できます。
その際は、またドッグブレスを意識して「すっすっ」「すーすー」と息遣いを覚えていきましょう。
最終的には、「すーすー」と発声し「はーはー」と変化させると、ビブラートが出ます。
簡単に感じますが、実はかなり難しい技術で、出し方はわかっていてもうまくいかない、という人が多いです。
ポイントは、息を切らさずに上半身はリラックスした状態にする点になります。
しっかり意識すると、最初は全くビブラートにならなくても声が揺れる感覚はだんだんとつかめていけるものです。
何度も繰り返し練習し、クオリティを上げていけば自ずと歌唱力もアップします。
この種類のビブラートを使う歌手
- 森山直太朗
- 玉置浩二
横隔膜ビブラートは、歌がうまい人やプロ歌手ならではの使い方なので森山直太朗さんや玉置浩二さんなどしっかりとした歌唱力がある実力派アーティストが使っています。
2人とも、深い位置でしっかりとコントロールしているため、音の深みが違うのです。
聴いている人が思わず涙するような、心に伝わる歌い方ができます。
カラオケDAMの精密採点には独自のビブラートの種類がある!
テレビ番組でもよく見かける、カラオケDAMの精密採点は音程の他にも以下が採点のポイントです。
- 安定感
- 表現力
- リズム感
- ビブラート
- ロングトーン
カラオケの採点だから…と侮ってはいけません。
かなり本格的に採点がされていて、特にビブラートは音程の次に重要だと考えられています。
カラオケで高得点をとるためには、攻略しなくてはいけないのです。
さらに、カラオケDAMの精密採点では複数の独自ビブラートが存在しているので、よく理解しておいてください。
ボックス型
出典元:DAM CHANNEL
代表的ビブラートの種類です。
A~Cまでの型があり、Aは細かなビブラート、Bは安定的なビブラート、Cは緩やかなビブラートです。
Aの場合はロックテイストだったり、テンポの速い曲で発生しやすく、小刻みに揺れる特徴があります。
Bの場合は「最も採点への影響があるのでは?」と考えられているほど標準的なビブラートです。音程の上下が深く、幅も広いので高得点につながりやすいといえます。
Cの場合は演歌、バラード曲で発生しやすいです。ゆるやかながらも安定性が必要になるビブラートなので、しっかりハマれば高得点を狙えます。
上昇形と下降形
出典元:DAM CHANNEL
上昇形と下降形は、その名の通り音程が上がっていくビブラートと音程が下がっていくビブラートです。
あまりなじみのないビブラートですが、キーが上がる時に出やすいため音程が難しい曲に多いタイプになります。
ビブラートが出せても、その分音程が狂ったりリズムや表現力がゆるむ可能性もあるので、意識的に出すというよりも曲に乗せた自然なビブラートにしてください。
縮小形と拡張形
出典元:DAM CHANNEL
縮小形と拡張形も上昇型・下降型に似ていて、音程ではなく揺れ幅が少しずつ小さくなるもしくは大きくなるビブラートを意味しています。
あまり出ないビブラートではありますが、声をしっかり出している、曲にノッていて感情が表現されている時に出やすいです。
ひし型
出典元:DAM CHANNEL
振れ幅が大きくなった後に、今度は振れ幅が小さくなっていくビブラートになります。
ひし形もあまり出ないビブラートで、ちょっと不安げな儚い歌い方をしている時に出やすいです。
曲調は、緩やかなバラードで出やすいといえます。
カラオケでビブラートをかけたのに判定されないのはなぜ?
「カラオケでビブラートを練習しよう!」
「好きな曲で高得点を狙いたい!」
と思っていても、なかなかビブラートの判定をしてくれなくて悩んでいる人は多いです。
しっかりと自分なりにビブラートを出しているのに、機械が検知してくれないと全く得点には反映されません。
判定されない大きな理由は揺れが小さすぎるからです。
浅いビブラートは、目の前で聴いている人にはわかっても機械が検知するほどの深さがないので判定してくれない、もしくは検知が遅れて意味不明な場所でビブラートがかかります。
適した場所にビブラートが判定してもらえないと、リズム感や安定感、表現力が減点されます。
せっかくビブラートを披露しても、得点が増えないなら意味はありません。
きちんとビブラートを精密採点で検知してもらうためには、しっかり声を出してキレイなビブラートをかけることです。
カラオケDAMの精密採点は、とても細かな音や吐息も検知します。
ビブラートっぽくしようと不安定な声の震えを出した時は、全て「安定性」に反映され、減点になるのです。
ビブラートをはっきり出し、声をのびやかにするときちんと精密採点で判定してもらえます。
ビブラートを習得したいならボイトレ教室!おすすめ3選!
早くビブラートを習得するならボイトレ教室に通うと良いです。自主トレやカラオケでビブラートをどうにか習得しよう、と思っても時間がかかります。
コツや発声時の自身の癖などは、自力じゃなかなか見つけられないので、トレーナーをつけてしっかりとボイストレーニングしてください。ここでは、おすすめのボイトレ教室をご紹介していきます。
シアーミュージック
全国95校舎展開している、超大手ボイトレ教室です。
完全マンツーマンスタイルでトレーニングが行えるので、困ったことやわからないことが質問しやすい点がメリットです。
曜日やコースも自身の好きなように決められるため、毎回ボイトレじゃなくても来週はピアノを弾いてみたいって人でもOKです。
トレーニング内容や曜日、講師だけではなくてなんと校舎まで自由に選べます。全て追加料金無しで利用できるのが多くの人から支持されている点でしょう。
無料体験もしっかり用意されていて、ボイトレは初めてだから不安という人でも安心してお試しができます。
アバロンミュージックスクール
音楽プロデューサーが設立したスクールとして有名なボイトレ教室です。
プロ歌手も通っているボイトレ教室と知られていて、デビューを目指す人のバックアップや発表ライブで音楽業界の人に披露する機会などが設けられています。
もちろん趣味で歌がうまくなりたい人も通えて、無料体験レッスンも用意されていて雰囲気がつかみやすいです。
実際に教室に通う方法だけではなくて、オンラインレッスンもあるので安心してトレーニングを受けられます。
椿音楽教室
全国200か所以上にスタジオがある、大手のボイトレ教室です。
たくさんのスタジオがあるので、利用者がその時々で行きやすいスタジオを選びレッスンすることができます。
マンツーマン指導で、一度講師が決まるとトレーニングの質上変更ができません。
そのため最初に講師を決めるまで、60分無料レッスンをそれぞれの講師と受けることができる点が特徴です。
長く付き合う講師が決まるまで、時間をかけて欲しいという思いやりのある教室といえます。
ビブラートの種類はどう使い分ける?プロ歌手が解説!
ビブラート、と一言で言っても大きく分けて3つの種類があり、それぞれが特徴的です。
歌う曲によって相性の良いビブラートは変わってくるので、使い分けをお伝えします。
まず、顎ビブラートに向いているのは演歌です。下顎を動かし、揺れを表現していくため激しい曲だと疲れてしまいます。
次に、喉ビブラートに向いているのはロックテイストやポップな軽いノリの曲と相性が良いといえます。
細かなビブラートが特徴なので、ゆったりした曲とは相性が悪いです。激しく体全体でノれる曲だと、喉の振動もしっかり出せるので非常に向いています。
最後に、横隔膜ビブラートに向いているのはバラード曲です。顎や喉を使わない分、腹式呼吸が大事になってくるビブラートなので、最初の習得はかなり難しいといえます。
一方で、一度習得してしまえばかなり幅広くビブラートを使いこなすことができるのです。
ビブラートが出しやすい歌!おすすめの練習曲3選!
発声練習もいいけど、歌ってビブラートを覚えたい!という人にビブラートが出しやすい歌をご紹介します。
ビブラートの種類も含めて解説していくので、参考にしてみてください。
女人荒野/石川さゆり
演歌を歌う人の多くは、顎ビブラートを使っています。特に石川さゆりさんの曲は顎ビブラートをしっかり出しているため、練習しやすい曲です。
サビの部分は、非常に顎の動きが分かりやすいのでビブラートを意識して聴いてみてください。
花束を君に/宇多田ヒカル
喉ビブラートの代表ともいえる宇多田ヒカルさんの曲の中でも、複数のビブラートが練習できます。
喉ビブラートが基本ですが、サビの部分では横隔膜ビブラート、顎ビブラートも組み合わせているため、かなり練習曲として適しているのです。
まずは喉ビブラートに慣れてから、徐々に他のビブラートにもチャレンジしていきましょう。
メロディー/玉置浩二
横隔膜ビブラートといえば、玉置浩二さんがお手本です。
不自然にならず、丁寧な歌い方をされるのでビブラートものびやかで聴いてる人の心の奥に届きます。
安定感のある横隔膜ビブラートは、今まで培われてきた表現力と玉置浩二さん自身が持つ、繊細だけど力強い声質と非常に相性が良いです。
高音域はほぼないので、男性でも練習しやすい曲だといえます。
ビブラートの種類まとめ!
- ビブラートには3つの種類がある!
- ビブラート習得の近道はボイトレ
ビブラートは「顎・喉・横隔膜」を使って出すことが可能です。
どんなビブラートが自分と相性が良いのか?というのは、実際試してみないとわかりません。
自主トレやカラオケで曲を練習してもよいですし、習得の近道を目指したい!と思うのであれば、ボイトレ教室が1番良いでしょう。
自身のペースでじっくりビブラートを習得してください。